浮世絵ミュージアム
伊場仙ビル1階の浮世絵ミュージアムでは、年4回、季節ごとに展示を入れ替えておりますのでぜひご高覧ください。

伊場仙の版画
伊場仙はもともと版元として事業を行っていました。版元というのは、今で言うところの出版プロデューサーでしょうか。 浮世絵は木版で彫り、それを摺りますので、国芳や広重などの絵師にデザインを頼み、団扇絵を摺っていくうちに、浮世絵も摺れるので、本業は団扇屋ですが、浮世絵の版元にもなりました。
当社制作の浮世絵所蔵例
国内はもとより海外の著名な美術館にも当社の浮世絵が多数所蔵されています。
British Museum, Museum of Fine Arts Boston, Metropolitan Museum of Art, and Van Gogh Museum, Victoria and Albert Museum, 太田記念美術館、などほか多数
The Spider Monster in the Mansion of Minamoto no Yorimitsu, by Utagawa Kuniyoshi (1797-1861). Print. Japan, 1843.
Allusion to the character Sanbaso, by Utagawa Kuniyoshi (1797-1861). Woodblock print. Japan, 1855.
An Actor in the Role of Chienai, central sheet of a triptych, by Utagawa Kuniyoshi (1797 - 1861), Edo, 1847-1850
Princess Izutsu, from the series Legends of Wise and Chaste Women, by Utagawa Kuniyoshi (1797 - 1861), Edo, c. 1842
Utagawa Kuniyoshi Exhibition at the Ōta Memorial Museum of Art, 2021, September 4th-October 24th
所蔵浮世絵紹介(一部)
浮世絵を何点かご紹介します。当時の版元と浮世絵師の関係、江戸の反骨精神を垣間見ることができます。ユーモラスで粋な、また反骨精神のある江戸っ子気質。古き良きものを今の時代にも、伝えていきたい所存です。
「源頼光公館土蜘蛛作妖怪図」
(みなもとよりみつこやかたつちぐもさくようかいのず)
1843年(天保14)大判錦絵三枚続

大江山の酒呑童子(土蜘蛛)を退治したという源頼光が、土蜘蛛妖怪達になやまされている図。 大江山の鬼退治の絵は他にあれど、この絵は謎解き。ふせっている頼光の着物の柄がさや型、つまり十二代将軍徳川家慶ではないか、隣に控える武士の紋所から水野忠邦ではないか、後ろの妖怪のなかのどれが誰だという謎解きが始まり大反響。水野の禁制政策に嫌気がさしていた江戸庶民は、こぞってこの浮世絵を買っていきました。そして版元は伊場仙の文字。あまりの人々の熱狂ぶりに伊場仙は絵を回収、版木も削ってしまう手早い段取りにより、お咎めは無し。さてさて...版元である伊場仙も、国芳の所属していた歌川派も、江戸幕府の御用を承っていたいわば、政府御用達。その権利が剥奪されることもなく、その前もその後も、反骨精神でを持ち幕府の批判も厭わない風刺絵を出版していくのです。
「荷宝蔵壁のむだ書」
(にたかべぐらかべのむだがき)1847年(弘化4年)頃

天保の改革以来、役者浮世絵には出版差し止め令が出ていました。そこでなんとか出版しようと、絵師や版元は工夫していきます。この絵は「これは浮世絵ではない。落書きだ」というわけです。当時の人には、歌右衛門や幸四郎、梅幸が見て取れるのでしょう。真ん中のネコに至っては、二尾のねこまた。楽しそうに踊っています。こうした遊び心こそ、贅沢に感じられます。こちらは 釘絵(くぎえ)と言われ、国芳の手になる釘でひっかいた落書にもして書いた絵のこと。他にも「白面笑壁のむだ書き」など役者似顔絵があります。「みんなわらつているやうだ」「なるほどあいかハらづ」などの文字や「国よしゑがく」といった署名、版元伊場仙の印なども同様の釘絵の筆致で書かれています。今の漫画にも通じる痛快ぶりですね。
中央区まちかど展示館認定
江戸開府以来400年の歴史と伝統を誇る中央区に伝わる多様な文化資源をご紹介している中央区まちかど展示館に平成24年1月31日に認定されました。