相撲観戦には何を着ていく?服装の選び方とあると便利な持ち物

日本の国技である相撲は、長い歴史のある伝統的なスポーツです。世界的にも日本を象徴するスポーツとして有名ですが、実際に相撲観戦をしに行ったことのある方は案外少ないといいます。相撲観戦は、まわしを締めた力士同士の闘志あふれるぶつかり合いや、熱気に満ちた会場内の雰囲気など、テレビ中継では味わえない迫力が魅力です。しかし、いざ観戦に行こうとしても、服装選びに迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。今回は、大相撲観戦時の服装に関するマナーや、あると便利な持ち物、楽しみ方などをご紹介します。

相撲観戦時の服装には規定がある?

相撲の観戦に行く際の服装には、厳格な規定やルールはありません。テレビ中継などをみていてもわかるように、服装は和装でも洋装でも自由です。スーツや着物などフォーマルな服装である必要はないため、好きな服を着て観戦しましょう。

 

ただし、周りに迷惑になるような奇抜な服や露出の多い服は避け、常識の範囲内でおしゃれやコーデを楽しむようにしてください。規定やルールはありませんが、座席の特性上、服装選びで気をつけたいポイントがいくつかあります。

相撲観戦に行くときの服装選びのポイント

観戦時の服装は自由ですが、服装選びにはいくつか注意点があります。相撲の観戦スタイルや席の特徴から、服装選びのポイントを解説します。

長時間座っていられる楽な服装にする

相撲の観戦席は、土俵から近い順に「溜席(たまりせき)」「桝席(ますせき)」「椅子席」の3種類があり、なかでももっとも有名なのが桝席でしょう。溜席は、抽選販売でしか申し込めませんが非常に人気が高く、チケットをとるのは難しいとされています。別名「砂かぶり席」と呼ばれるように、土俵の砂が降りかかってくるほど近くで観戦できる座布団の席です。桝席は正方形の仕切りのなかに、4名分の座布団が敷かれています。椅子席は2階に位置する場合が多く、土俵からもっとも離れた席です。

 

長時間座って観戦するため、締め付けの少ない楽な服装を選ぶのがおすすめです。男女ともに、スキニージーンズなどタイトなズボンは避けたほうが良いでしょう。女性の場合は、丈の短いミニスカートなども避けるのが無難です。女性は膝下くらいの長めのスカートや、ゆったりとしたゴムのパンツなど、楽に座れるボトムスを選びましょう。周りの人の視界を遮るような大きな帽子の着用は避け、席に着いたら帽子は脱ぐようにしてください。

 

着物や浴衣など、和装を着て観戦したい場合はやや注意が必要です。帯で体を締め付けた状態となるため、不安な方は着慣れて快適に過ごせるようになってからの観戦をおすすめします。

脱ぎ履きしやすい履物を選ぶ

桝席では靴は脱いで座る必要があるため、履き慣れたスニーカーなど脱ぎ履きがしやすい履物を選びましょう。お手洗いや売店に行くときなど、席を離れるときにもスムーズです。

 

また、会場は階段や段差が多いので、ピンヒールなどの不安定なものも避けたほうが良いでしょう。下駄箱などはなく、履物は座席の下などに置いておく必要があるため、ロングブーツなどのかさばる履物も避けるのが無難です。

バッグなどの手荷物は少なくする

桝席の1人分のスペースは座布団一枚分で、実際に座ってみると、想像以上に狭く感じる方が多いといいます。大きなバッグや2つ以上の荷物がある場合は、席内に置けなくなってしまう可能性もあります。場所をとらないように、荷物はできるだけ少なくコンパクトにまとめましょう。

相撲観戦であると便利な持ち物

初めて観戦をするなら、相撲の魅力を存分に楽しめるよう、しっかり準備しておくことをおすすめします。相撲を観戦するときに、あると便利な持ち物をご紹介します。

ラジオ

両国国技館で観戦するなら、ぜひラジオを持っていきましょう。館内では「どすこいFM」(83.4MHz)が聞けるため、親方の解説を聞きながら観戦ができます。どすこいFMは館内限定ラジオのため、現地でしかできない楽しみ方です。

オペラグラスや双眼鏡

座席が土俵から遠い位置にある桝席や、2階の椅子席などだった場合、取り組みの様子が見えにくい可能性があります。オペラグラスや双眼鏡を使えば、力士の表情までしっかり見えるためその場の臨場感まで存分に楽しめるでしょう。

正座椅子

桝席は狭いため、正座や斜め座り、立て膝など、膝を曲げて座る姿勢になります。血流が滞って足が痺れたり、姿勢が崩れて腰が痛くなったりする方も少なくありません。折りたたみ式の正座椅子を持参すれば、狭い場所でもコンパクトに座れて、下半身への負担も軽減されます。膝痛・腰痛のある方や、長時間の床座り姿勢に不安のある方は、正座椅子の持参がおすすめです。

扇子や羽織り

館内の空調は、快適に過ごせるよう調節してあります。しかし、応援に熱が入って暑くなったり、冷房が効きすぎて寒く感じたりすることも。観戦中の体温調整が容易にできるように、扇子や羽織りものを持っておくと安心です。

色紙とマジックペン

取組前に会場入りした力士への声がけやサインの要求はNG行為ですが、取組とインタビューを終えた力士を出待ちしていればサインを頼むことができます。また、館内では各部屋の親方衆と遭遇できるチャンスもあります。憧れの力士や親方がいる方は、色紙とサインペンを持っていってみてください。

常識をわきまえた服装で相撲観戦を楽しもう!

相撲観戦に行くときの服装の選び方や、持っていくと便利なアイテムなどをご紹介しました。和装やフォーマルな服装でないと入れないイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、それほど気構える必要はありません。和装でも洋装でも、快適に過ごせるお好みの服装で向かいましょう。桝席の場合は、楽に座れる服装と脱ぎ履きしやすい靴、少なめの荷物を意識して選ぶと安心です。初めて相撲観戦に行くときは、ぜひご紹介した便利アイテムを参考にして楽しんでみてください。

伊場仙の大相撲扇子

相撲観戦には、扇子や団扇(うちわ)もお勧めです。