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近年、人気漫画やドラマなどの影響で、若い人たちの間でもブームとなっている落語。CDや動画で楽しむのもいいですが、落語家や噺家さんの生の噺を楽しめる「寄席(よせ)」に格別な魅力があるのはいうまでもありません。しかし、落語初心者にとって、寄席は未知の世界。チケットの買い方やマナーなど、気になるポイントも多いでしょう。そこで今回は、落語の寄席に関する基礎知識や、初心者が知っておきたいマナー、楽しみ方をご紹介します。
落語に興味を持ち、「生で聞いてみたい!」と思ったら、ぜひ落語の寄席に行ってみましょう。まずは、落語の寄席の概要からご紹介します。
寄席とは、落語や漫才、講談などの古典芸能を上演する大衆的な演芸場のことです。寄席と書いて「よせ」と読み、「寄せ場」や「寄せ席」の略語で、人を寄せるという意味があります。「落語」は噺家が演じる演芸のことを指し、「寄席」は落語などを上演する場所のことを指す言葉です。寄席の興行期間は、多くの場合毎月上席・中席・下席と10日間ずつに区切られており、それぞれ異なる番組(プログラム)が楽しめます。
なお、よく文化会館などで行われる「ホール落語」と混同されることがありますが、寄席はこれらとは異なります。ホール落語は、コンサートや演劇なども行われる場所で行われる落語会のことです。主に噺家さんが一人で行う独演会や、師匠とその一門で行う一門会などが行われています。寄席との大きな違いは、地域にある身近な場所で行われることや、一人の噺家さんの噺をたっぷり堪能できることでしょう。お気に入りの噺家さんがいる場合は、その噺家さんの芸や人となりまでもが堪能可能な、ホール落語もおすすめです。
一方の寄席は、たくさんの噺家さんや芸人さんが入れ替わり立ち替わり出演し、講談や漫才、手品、曲芸、紙切りなど、バラエティーに富んだプログラムを堪能できます。前座の落語からスタートし、色物と呼ばれる漫才や手品、二ツ目の落語と軽快に進み、トリには真打ちが登場します。まだ寄席へ足を運んだことがない方は、ぜひ演芸場ならではの雰囲気を味わってみてください。
落語の寄席は、敷居が高く入りにくいというイメージをもたれている方も多いのではないでしょうか。ここでは、落語初心者の方に向けて、寄席のチケットの料金や購入方法などの基礎知識をご紹介します。
寄席では、入場料のことを木戸銭(きどせん)と呼びます。料金相場は一人あたり、2,000~3,000円程度です。昼の部と夜の部(18時以降)で料金が異なることもあるため、事前に確認しておきましょう。一般的には、夜の部のほうが割安になります。
寄席のチケット購入には、事前予約は必要ありません。行きたい日の当日に、受付で当日券を購入するのが一般的です。また、座席に指定席はなく、自由席であることが多いため、入場順に好きな席に座ることができます。
寄席は、年中無休で営業しているのが一般的です。昼の部は12時〜16時、夜の部は17時〜21時など、時間で区切られている場合もあります。なかには、昼夜の部に分かれていない寄席や公演もあるため、正確なスケジュールは演芸場のWebサイトなどで確認しておきましょう。
寄席で落語を楽しむために、気をつけたいマナーや覚えておきたいルールがいくつかあります。落語の寄席に行こうと思ったときに、気になる疑問点について解説します。
寄席には基本的に固いルールはなく、自由に落語を楽しむことができます。服装も、和装でなければならないなどのルールはないため、お好みの格好で気軽に立ち寄ってみましょう。ただし、他のお客様や出演者に迷惑をかけるような発言・行為はNGです。たとえば「携帯をマナーモードにしておく」「大きな声を出さない」など、公共の場で求められる最低限の常識やマナーは守りましょう。
寄席では、基本的に客席への出入りは自由となっています。ただし、入退場する際は、高座の切れ場(演芸と演芸の間)に移動するのがマナーです。また、一旦寄席の外に出てしまうと、再入場できない場合が多いため注意しましょう。
寄席では、基本的に演芸を鑑賞しながら飲食も楽しむことができます。売店でお弁当を売っているところも多く、寄席によっては飲酒が可能な場合もあります。ただし、匂いの強いものなど周りの迷惑になるものは控え、お酒の飲み過ぎにも注意しましょう。
落語初心者の方向けに、寄席の基礎知識やよくある質問の回答をご紹介しました。現在の寄席は、東京都内の4つの定席以外にも、一門が主催となって興行している寄席型式のものもあります。予約は不要で、基本的に定休日などもないため、思い立ったときにすぐに立ち寄れる点も嬉しいポイントです。落語に興味をもったら、ぜひ寄席を訪れ、会場の雰囲気を味わいながら落語を楽しんでみてください。