扇子の正しい保管方法は?長持ちさせる使い方やメンテナンス方法

ファッションに華を添えたいときや、暑い季節に涼をとりたいとき、扇子を愛用している方もいらっしゃるでしょう。そんなお気に入りの扇子は、いつまでも使い続けられたら理想的です。しかし、扇子は基本的に消耗品であるため、同じ品物をずっと使えるわけではありません。長く使い続けた場合、経年劣化を避けることが難しいのです。

 

そんな扇子をできる限り長く使い続けるには、日頃の使い方や保管方法などが重要となります。適切な方法で扇子を保管したり、お手入れしたりして、大切な扇子を長持ちさせましょう。この記事では、扇子をお持ちの方が押さえておきたい保管方法をご紹介します。使い方やメンテナンスについてもお伝えするため、改めて確認してみましょう。

扇子を長持ちさせる保管方法

先ほどお伝えしたように、扇子は消耗品ですが、日頃の扱い方次第でより長く使い続けることが可能です。大切な扇子は以下のポイントを参考にして保管しましょう。初めに、お持ちの扇子をできるだけ長持ちさせるために、適切な保管方法をご紹介します。

乾燥した環境を保つ

扇子は湿気を嫌うアイテムであるため、保管する際は乾燥した環境を保つことがポイントとなります。過度な湿気は紙のふやけや、骨組みの変形、カビの発生などにつながるためお気をつけください。保管するときは、乾燥剤を使って除湿すると良いでしょう。乾燥剤と一緒に保管する場合は、扇子に直接触れないようにすることが大切です。乾燥剤の成分によって扇子にシミが付く可能性があるためご注意ください。

高温を避ける

扇子は高温の環境に置かれることで、変形や割れ、型崩れなどが懸念されます。保管する際は、年間を通して温度変化が少なく、涼しい場所を選びましょう。扇子の保管では、窓やドアから離れた場所を選ぶと、外の気温や湿度による影響を避けやすくなるため安心です。窓際にある収納スペースや棚は温度差が激しくなるため、一般的に扇子の保管には適していません。

直射日光を避ける

扇子に直射日光が当たる状態で長期間にわたり置いておくと、変色や日焼け、骨組みの竹の割れを引き起こすおそれがあります。窓からの日差しが当たらない場所に保管するのが、扇子を美しく保つためのポイントです。劣化により見た目や使い心地を損ねないよう、直射日光を避けて保管しましょう。

「せめ」を使う

「せめ」とは、扇子を使わないときに扇面が開かないように留めておくアイテムです。一般的には、和紙製やゴム製のせめが使われています。扇子をせめで留めると型崩れの予防に役立つため、保管の際はぜひご活用ください。扇子の形が適切に保たれることで、見た目の美しさをキープするのはもちろん、スムーズに開閉できる状態も長持ちします。購入時に付属するせめは、保管してお使いいただくようおすすめします。

扇子袋や保管ケースに入れる

扇子袋や専用の保管ケースに入れると、扇子を保護しやすくなります。ぶつかった衝撃で生地の部分が破れたり、色移りやシミが生じるのを防いだりできるので、扇子の持ち歩きや保管に便利です。扇子をこれらの袋に入れる際は、通気性の良いものをお使いください。おすすめは布製の袋です。その一方で、ビニール製の袋は通気性が悪く、湿気がたまりやすいことから、素材にも着目して選びましょう。

扇子を使った後のメンテナンス方法

日常的に扇子を使っていると、水濡れが生じたり、汚れが付いたりしてしまうことがあるでしょう。扇子を使った後は適切なメンテナンスを行って、きれいな状態を保ちたいですね。ここでは、扇子を使った後のメンテナンス方法をご紹介します。

扇子が濡れたとき

汗や雨などで扇子が濡れてしまったときは、まず速やかに水分を拭き取ることが大切です。また、水分を拭き取った後は、通気性が良く直射日光を避けた場所に陰干しして、しっかりと乾燥させましょう。応急処置を行うと、水濡れによって扇子が傷むのを防ぐことにつながります。

扇子が汚れたとき

扇子に手垢などの汚れが付いてしまったら、扇子の素材に応じた方法で汚れを落としましょう。基本的には、ぬるま湯やアルコールを含ませた布で軽く拭いて対処します。ただし、素材によってはぬるま湯やアルコールの使用が適さないこともあるためご注意ください。

扇子を傷めにくい開き方と閉じ方

扇子をきれいな状態のまま保つには、日頃の使い方にも意識してみてください。扇子を開いたり閉じたりする際の所作によって、大切な扇子を傷めずに長持ちさせやすくなります。最後に、扇子を傷めにくい開き方と閉じ方を解説します。

扇子を傷めにくい開き方

扇子を開く際は、まず扇子の親骨を上に向けた状態で、両手を使って優しく持ちましょう。その後、親骨を自分から向かって右側のほうへスライドさせるように、親指でそっと押して少しだけ広げます。この状態から、両手を使って優しく丁寧に広げていくように意識してみてください。扇子を使う際は両手でゆっくりと開くことが長持ちさせるポイントです。その反対に、一気に素早く広げる使い方は、扇子を傷めやすいため避けておきましょう。

扇子を傷めにくい閉じ方

扇子を閉じる際は、まず開いた状態の扇子を両手で持ちましょう。そこから、扇子の折り目に沿って丁寧に手繰っていき、端のほうからゆっくりと閉じていきます。ポイントは、扇子を閉じるときも両手を使うことです。片手のみを使って扇子を閉じると、扇面の生地が異なる方向へ折れ込みやすくなります。大切な扇子を型崩れさせる原因にもつながるため、閉じる場合でも両手を使いましょう。

大切な扇子は正しい保管方法で長持ちさせましょう

ここまで、扇子の正しい保管方法をご紹介しました。扇子を長持ちさせるには、高温多湿な環境や直射日光を避けて保管することが大切です。また、いつまでもきれいな形を保つために、扇子を留める「せめ」を使用したり、扇子袋や保管ケースにしまったりするのも有効だといえます。日頃の使い方にも配慮して、大切な扇子をできるだけ長く使い続けましょう。

 

江戸時代から続く扇子の老舗である伊場仙では、お客様の大切な扇子の保管に便利なアイテムを取り揃えております。扇子を保管するための専用の袋や箱をお探しの方は、ぜひ伊場仙のオンラインショップをご覧ください。

 

伊場仙の扇子袋は、豊富な品揃えの中から、扇子のサイズに適したお好みのデザインのケースをお選びいただけるのが魅力です。サイズは6.5寸~8.5寸のラインナップをご用意しています。扇子袋のサイズと保管に適した扇子の種類は以下の通りです。ぜひ扇子袋の選び方の参考にしてみてください。

扇子袋のサイズ 扇子の種類
扇子6.5寸用 しけ引き扇子・本煤竹扇子など
扇子7寸用 手拭い扇子など
扇子7.5寸用 江戸扇子・しけ引き扇子・本煤竹扇子など
扇子8.5寸用  観弐色渋扇子・高座扇など

また、伊場仙では扇子の保管にもお使いいただける扇子用の桐箱をご用意しています。扇子と扇子袋を購入されるお客様は、ぜひ桐箱も併せてご検討ください。桐は扇子が苦手とする湿気に強い素材として知られており、防虫や防カビの効果も期待できます。扇子と扇子袋を収納できる、高級感のある桐箱を保管の際にお役立てください。


扇子袋・箱(伊場仙ECサイト)

URL:https://www.ibasen.co.jp/collections/accessories

 

扇子用 桐箱 7.5寸用・6.5寸用

URL:https://www.ibasen.co.jp/collections/accessories/products/kiri-box-7-5-6-5